フィンランド発!人気デザインブランド集

北欧デザインというと、デンマークやスウェーデンが注目されがちですが、フィンランドもデザインの歴史と才能の宝庫!フィンランド人は美しい自然の風景や、自国で入手できる自然材料、そして一年の中で太陽の照る期間が少ない事で、”明かるさ”への特別なこだわりからインスピレーションを得て、独自のデザインを作り出そうとしてきました。今やデザイン大国の1つとなったフィンランドのデザインですが、同時に完全でなく大衆に親しまれやすいものとしても知られています。

ここでは、フィンランドのデザインブランドをいくつか紹介!どれかはあなたのお家にも取り入れたくなるかも知れません♫

Artek (アルテック)

今やフィンランドデザインの代名詞とも言われる家具ブランド、アルテック。1935年、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト、ニルス=グスタフ・ハール、マイレ・グリクセンの4人の若い著名なデザイナー達によって設立されました。機能主義にインスパイアされたデザインを発表し、アルテックの目的は「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」。

Artekという名前は、1920年代に脚光を浴びた国際的なモダニズム運動の中心的概念である「アート」と「テクノロジー」を融合したもの。この2つの領域の実りある融合をArtekの創設者たちは目指しました。

現在では、アルヴァ・アアルトのスツール、チェア、テーブルをはじめとするArtekの家具や照明は、フィンランドデザインの礎となっています。Artek製品の中でも、アルヴァ・アアルトのアイコン的存在であるスツール60は、椅子としても、テーブルとしても、ディスプレイとしても使える、美しい家具です。バーチ材のみで作られでおり、1933年の発表以来、素材もフォルムもほとんど変わることなく、今も愛され続けています。

Marimekko (マリメッコ)

マリメッコは、1951年にフィンランドデザイン界の革命児アルミ・ラティアによって設立された、フィンランドを代表するブランド。大胆でカラフルなデザインで有名なマリメッコは、アパレル、テキスタイル、日用品などを生み出しています。

ウニッコと呼ばれる有名な大きな花のパターンは、ケシの花をイメージしてデザインされました。元々アルミ・ラティアは花柄のデザインを作成する事を断じて許可しませんでした。自然の花はとても美しいので、モチーフにすべきではないというのが彼女の意見だったのです。しかし、彼女のデザイナーの一人であるマイヤ・イソラは、何を描くべきかを命令されることに抗議してウニッコをデザインしました。アルミはこのデザインをとても気に入り、マリメッコのデザインとして取り入れたのです。

ちょうど第二次世界大戦が終わった後で、世の中は質素なものではなく、もっと派手でカラフルな物を受け入れようとし始めていました。マリメッコデザイン誕生のタイミングもとても良かったんですね。

アルミは自分の全財産をはたいてファッションショーをし、見事爆発的人気を手に入れました。アルミはあの時代で、すごくリスクのある事をする人だなあ、、すごい!と感じますよね。このマリメッコ創設者のアルミ・ラティアの波乱万丈な人生を描いた映画「ファブリックの女王」はちょっと舞台劇っぽく撮られていて、面白いですよ♪

マリメッコデザインは、フィンランドの首都、ヘルシンキにある自社工場で、毎年100万メートル以上の生地がプリントされています。マリメッコは創業者アルミ・ラティアが思い描く、”日常生活に喜びをもたらす”というミッションを元に

Iittala

フィンランドのデザインブランド、イッタラもこの国を代表する製品を作り続ける存在の一つ!イッタラは1881年にフィンランドのイッタラ村で小さなガラス製品店としてスタートし、オブジェ、テーブルウェア、調理器具の製造へと発展しました。

イッタラがその名を知られるようになったのは、20世紀初頭。当時、見た目をよくする為を主な目的として装飾されていた食器類に、初めて進歩的な北欧デザインと機能性の両方を取り入れたのです。アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト、カイ・フランク、タピオ・ヴィルッカラといったフィンランドデザインの先駆者たちとコラボレーションし、一気に世界へと知れ渡るブランドへと成長しました。

イッタラは「より良い暮らしを提案する」ことをモットーにし、機能的で飽きないデザインを生み出し、多くの家庭で日常的に使用されています。良いデザインとは、思いが込められ、機能的なデザインであり、誰もが利用できるものだと信じているのです。フィンランドと北欧の伝統的な価値観である、”平等で地に足がついた姿勢”にしっかりと根ざしていますよね。

オイヴァ・トイッカのアイコンであるガラスの鳥は、1972年に製造・販売開始され、イッタラブランドの成功に大きな影響を与えました。時代を感じさせない上品なイッタラのデザインは、現在ではガラス、陶器、木、テキスタイル、金属など、さまざまな素材で展開されています。

2019年には、廃棄ガラスを溶かして作られた初のリサイクルガラス・コレクションが誕生しました。サステイナビリティを考慮し、イッタラ製品の中古品の買い取りと再販も行っています。

日本の北欧デザインブランドとして知られているミナペルホネンともコラボしていて、ミナペルホネン 創設者皆川明さんが手書きでデザインしたイラストがイッタラの食器に描かれています。

Aalto + Aalto (アアルト+アアルト)

アアルト+アアルトはヘルシンキを拠点とするデザイン事務所で、エリナ・アアルトとクラウス・アアルトの夫婦が手がけるブランドです。製品、空間、展示会などのデザインを中心として活動しています。彼らの目的は、強いアイデンティティとストーリーを持った特別な日用品を作ること。生み出された作品はヘルシンキとケベックのデザイン・ミュージアムに収蔵されています。

iF DESIGN AWARDという、世界で最も権威あるデザイン賞のひとつの、ゴールデン・プロダクトデザイン賞を受賞しています。この賞を獲得したデザインがイッタラともコラボした製品、”Vakka“(ヴァッカ)。バーチ材の合板で作られたシンプルな収納箱で、どんな部屋でも馴染みやすく、積み重ねて小さなサイドテーブルにもなります。

Arabia (アラビア)

パラティッシシリーズ

アラビアはおそらくフィンランドで最もよく知られ、評価されているブランドのひとつ!アラビアは主にキッチン・テーブルウェアを販売する陶磁器会社で、フィンランドのアラビア地区で1873年に設立されました。150年以上にわたり、アラビアはフィンランドで確固たる地位を築き、世界中にたくさんの愛好家を抱えています。

アラビアには人気の柄や製品ラインがたくさんありますが、そのひとつがKaj Franckカイ・フランク)のKiltaキルタ)で、後にTeemaティーマ)と改名されました。アラビアがイッタラの傘下となった事により、現在ではイッタラのコレクションの一部となっています。

ティーマシリーズ

他にもムーミンとのコラボ作のテーブルウェア、アラビアのクラシックシリーズとして知られている、お花やフルーツが鮮やかに描かれた、パラティッシシリーズに、創立140周年を記念して作られた24h アベックシリーズなどがあります。

Nikari (ニカリ)

ニカリはフィンランドの木製家具メーカーで、高品質な製品と持続可能な開発に特化しています。1967年に家具職人のカリ・ヴィルタネンによって設立されました。社名は、フィンランド語でキャビネット職人を意味する「ニッカリ」と、ニッカリンコスキー(「キャビネット職人の川の流れ」の意)という地域名、そして創業者自身の名前であるカリ・ヴィルタネンをもじったもの。

自然とのバランスを追求するニカリの価値観は、妥協のないクラフトマンシップと持続可能な生産、そして「平和で本物の暮らし」を最優先として活動しています。

創業当初は、アルヴァ・アアルト、カイ・フランクをはじめとするフィンランド建築・デザインの巨匠たちとの緊密なコラボレーションが特徴的でした。

現在、ニカリの工房はフィンランドの職人村フィスカルス(Fiskars)にあり、隣にある水力発電所から供給される次世代再生可能エネルギーのみを使用して製作しています。ニカリが使用する木材のほとんどは、村に隣接する製材所から持続可能な方法で供給された、北欧産の認証木材を使用し、サステイナビリティーにも重点を置くデザインブランドであります。

Aarikka (アーリッカ)

アーリッカはフィンランドのデザイン業界でも老舗ブランドの一つ。1954年創業のアーリッカは、木製ビーズを使ったジュエリーやインテリア用品で知られています。ほとんどの製品が天然素材から作られ、”サステイナビリティ”は当初からアーリッカのデザイン哲学に不可欠な要素でした。

アーリッカの物語は、当時テキスタイルアートの学生だったカイヤ・アーリッカが、卒業制作のために作っていたドレスに使うボタンを自分で作った事から始まりました。このボタンは、服よりも高く評価されたため、カイヤ・アーリッカは夫のエルッキ・ルオコーネンとともに、販売を開始することにしました。

丸く色鮮やかな形の商品で知られているアーリッカ。この丸いシェイプは、当初からカイヤを魅了しました。ボタンや木製ジュエリーに続き、シルバージュエリー、キャンドルホルダー、おもちゃ、インテリア 製品など次々と生まれました。

アーリッカ製品の中でも人気の作品がPässi (パッシ: 雄羊)の置物。カイヤ本人にデザインされた、ユニークなアーリッカのクラシック商品です。この雄羊はフィンランドの伝統的シンボルで、忍耐力と意志の強さを表しています。木製のパッシの置物は、フィンランドでひとつひとつ手作りで出来ており、最大10人の熟練した職人の手によって作られています。滑らかな表面と丸んと可愛らしいフォルムのパッシ・コレクションはインテリアとしても良いし、また大切な贈り物としても最適です。

アーリッカのもう一つの人気商品は1982年から作られている小人のトントゥの置物!小さな可愛らしい小人さん達はなんと150種類以上もあるんです。その中でも、森の小人、オーロラの小人、愛の小人、厳寒の小人、水の小人、サウナの小人などの種族に分かれているんで楽しいですよね♪

Woodnotes (ウッドノーツ)

ウッドノーツは、テキスタイル・アーティストのリトヴァ・プオティラと息子のミッコ・プオティラによって1987年に設立されたフィンランドのデザイン・ブランド。ウッドノーツの基本理念は、耐久性に優れ、エコロジカルで美しい天然素材である、ペーパーヤーンからモダンなデザインを生み出すことでした。環境保護がブランド内で中心的な役割を持つウッドノーツは、フィンランドの美しい自然からインスピレーションを受け、豊富な自然素材である、木と紙を選んだのです。

今日、ウッドノーツのコレクションは、ペーパーヤーンカーペットから家具や日用品にまで広がっていますが、ペーパーヤーン製品は今も会社の中核を成しています。ウッドノーツは、紙糸を現代的な方法で機能性テキスタイルとして使用した世界初の企業でもあります。

ペーパーヤーンと言っても紙で出来ているので丈夫なの?と心配になりそうですが、しっかりと編み込まれると驚くほどの耐久性を発揮します。また、紙はウール等よりも埃を寄せ付けず、生分解性があり、エコロジカルな原料。

ウッドノーツが使用する紙糸は、リサイクルや燃焼によってエネルギーを生み出す事が可能な、耐久性のある厚紙から紡績されています。又、紙は塩素ガスを使用せずに製造され、糸を着色する染料にはハロゲン有機化合物も重金属も含まれていません。

ウッドノーツは国際的に高く評価されるブランドとなり、その製品は40カ国以上で販売されています。最も成功した製品のひとつは、ハッリ・コスキネンがデザインしたkチェアで、瞬く間にフィンランドデザインの象徴的存在として知られるようになりました。

Secto Design (セクトデザイン)

1995年にトゥーラ・ユセリウスによって設立されたセクト・デザインは、木製照明器具を専門とするフィンランドの会社です。ユニークなランプを手がけるのは、フィンランドの建築家セッポ・コホ。彼のデザインによって、セクト・デザインは北欧デザインとして国際的に高い評価を得ています。セクト・デザインのコレクションには、ペンダントランプ、ウォールランプ、フロアランプ、テーブルランプがあり、全てPEFC認証を受けた最高品質のフィンランド産バーチ材を使用。すべてフィンランドにあるセクト自社工場で熟練した職人によって手作りされています。

セッポ・コホがデザインしたランプは国際的な賞を受賞し、現在ではセクトデザインのプロダクトは80カ国以上に輸出しています。セクトデザインのシグニチャーモデルはセクト4200ペンダント(Secto 4200 pendant)。このモデルがセクトデザインの真髄となって、今や他に29種類のコレクションが生み出されています。