フィンランドの土地は海の中にあった?!

フィンランドでは毎年、地面が上昇しているのはご存知でしょうか?専門用語では、隆起と言い、海面が地面に対して高度を増す現象の事です。日本では火山の噴火活動により地面が盛り上がったりしており、硫黄島では年間20〜30cmも隆起しているのだとか!フィンランドでもこの隆起が起こっていて、年々海面に沈んでいた土地が少しずつ現れているのです。フィンランドを訪れた際、自分が歩いている場所が、数千年前には海の中だった可能性もあるかもしれませんね!

フィンランドでは毎年、地面が上昇しているのはご存知でしょうか?専門用語では、隆起と言い、海面が地面に対して高度を増す現象の事です。日本では火山の噴火活動により地面が盛り上がったりしており、硫黄島では年間20〜30cmも隆起しているのだとか!

フィンランドでもこの隆起が起こっていて、年々海面に沈んでいた土地が少しずつ現れているのです。フィンランドを訪れた際、自分が歩いている場所が、数万年前には海の中だったかもしれないと考えると、、なんだか不思議な感じがしますよね!

隆起で何が生まれる?
selective focus photographed of green mountain
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隆起なんか見た事ないな〜と思うかもしれませんが、隆起の現象で一番身近なものは、「山」です。山なら一度は登った事はありますよね!外を出ると見える近所の山も、地面のプレートとプレートがぶつかり合った部分が盛り上がって形成されたものなのです。

フィンランドの隆起の仕組み
panoramic view of landscape against sky
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フィンランドで起こっている隆起は後氷期地殻隆起といい、重い氷の層が溶けた事により、その重みで沈んでいた下の地面が、盛り上がってくる現象のことを言います。

現在、この現象はフィンランドとスウェーデンの間にあるボスニア湾付近が最も活発で、フィンランド南東端にかけて減少しています。

将来ボスニア湾が閉ざされる!

約1万年前に終わった一番新しい氷期の後、時には約2kmもの厚さだった氷の地面がフィンランドを覆っており、その氷床の重さは、約500mも地殻を押し下げました。

氷期が終わり氷が溶け始めた結果、氷床の重みから解放された地域は徐々に上昇し、今も上昇を続けています。実際、最も氷が厚かったボスニア湾付近では、毎年10mmほど陸地が隆起し、あとまだ100mほども上昇を続けるのだそう!ちなみにヘルシンキ付近では、100年で約40cm隆起しているのだそう。

又、約2000年後にはボスニア湾は隆起により、クヴァルケン群島で閉塞すると予測されています。フィンランドとスウェーデンが繋がっちゃうんです!

約1万年間の、氷床の融解と隆起の様子
海辺には石の山が現れる

地盤の隆起によって現れた土地には、沢山の丸石のフィールドが見られます。世界で最も高い玉石採取地は、海抜約260mのスウェーデンにある、ハイコースト(The High Coast)です。

このハイコーストとフィンランドのクヴァルケン群島は、隆起が最も活発な地域の一つであり、又、隆起を理解するために世界で最も適した場所であるため、共同で世界遺産を形成しています。

ハイコーストとクヴァルケン群島

隆起の起こる海岸では、丸い石がまるで巨大な階段のように、砂浜を登っていくように見える場所があります。この階段状の地形はBeach Ridges(浜堤)と呼ばれ、砂利のビーチによく見られます。

隆起によって、波の届かない砂浜の上に突出した峰が持ち上がります。時間の経過とともに、いくつかの隆起が起こり形成され、それぞれが過去にさかのぼって海岸線の位置を教えてくれるのです。
フィンランドでは、耕作に適さず、明らかに悪霊によって作られたかの様なので、この様な石の野原を「devil’s fields’ (悪魔の石野原)」と呼ぶそう。

pebbles on beach against sky during sunset
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氷河が溶けるとその分、海面を上昇させますよね。現在、世界の海面上昇は年1.5mm以上ですが、近年は約2倍に増加しています。

フィンランドの海岸では、これまで海面上昇が隆起速度より小さかったので、まだ新しい陸地が海から出現することになります。ゆっくりと、年々古い海底が乾燥した土地に変わりつつあるのです。