フィンランドはコーヒー消費量、世界一!

「コーヒーをたくさん飲んでそうな国」というと、イタリア人やコロンビア人かな?と思う方も、多いのではないでしょうか?実は、国ごとの一人当たりのコーヒー消費量を調べた結果、フィンランドが世界第1位だったんです!

その量はなんと、一人1日に平均8杯ものコーヒーを消費しているそう。多い人は1日で30杯も飲むのだとか、、!そんな量飲んで体調崩さないの?!と思っちゃいますよね。フィンランドだけでなく、実は「一人当たりのコーヒー消費量」トップ4カ国は、全て北欧の国々(1位から順に、フィンランド、ノルウェー、アイスランド、デンマーク )なんです。

日本で大人気のスターバックスは、都会であれば至る所にありますよね。でもフィンランドにはヘルシンキと空港にしかありません。その理由は簡単で、全国チェーンや個人経営の店、そして街角の店でも十分すぎるほど美味しいコーヒーを淹れてくれるからなんです。

フィンランド人がコーヒーをたくさん飲む理由
コーヒーは薄め
chemex pot on rock in mountains
Photo by Dziana Hasanbekava on Pexels.com

フィンランド人は1日に沢山コーヒーを摂取しますが、飲んでいるコーヒーは主に浅煎りのフィルターコーヒー。お爺さん・お婆さんの世代ではエスプレッソって何?と答えが返ってくる程、フィンランドに濃い目のコーヒーが広まったのは、ここ10年くらいのことです。1杯が薄めのコーヒーなので、1日に沢山飲む事も出来るんです。

カフェでは濃い目のローストやエスプレッソもありますが、そちらはあまり一般的ではありません。多くのフィンランド人は、コーヒーをブラックで飲むか、数滴のミルクを加えて飲みます。カフェのセルフサービスの場合、ミルクは普通の牛乳、ノンラクトミルク、オートミルクの3種類から選べるのが一般的です。

コーヒーは重要な社交の場を提供している
person sitting near table with teacups and plates
Photo by Viktoria Alipatova on Pexels.com

フィンランドでは、コーヒー休憩は一日のうちで重要な社交の場として考えられています。社交の場と言っても、友人や同僚とのコーヒーブレイクは、無理して話さず、静かに楽しむことも可能。少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、ほとんどのフィンランド人にとって沈黙は特に不快なものではなく、コーヒー休憩はただ静かに(そして社会的に静かに)リラックスする時間でもあるのです。

コーヒー休憩は法律で決まっている!

フィンランドは世界で唯一、労働法に「1日の就労時間のうち、10-15分のコーヒー休憩が2回あるべき」と明記されている国であることをご存知でしょうか?正確には、雇用者は4時間以上6時間以内の労働につき、コーヒー休憩1回を労働者に提供しなければならず、そのコーヒー休憩中も、賃金は支払われます。フィンランドでは毎日7.5時間労働の会社が多いので、1日に2回は必ずコーヒー休憩があるのです。

フィンランド独特のコーヒータイム
women toasting their drinks while having conversation
Photo by RODNAE Productions on Pexels.com

フィンランド人の1日は、コーヒー休憩によって大きく区切られています。仕事始めに1杯のコーヒー、昼食後にもう1杯、午後は同僚と1杯、そして仕事終わりも締めの1杯で切り替わります。夜、ぐっすり眠るために1杯飲む人もいます。

フィンランド語にはコーヒー休憩にまつわる言葉がいくつもある程。
aamukahvi:アームカハヴィ」(朝のコーヒー)
päiväkahvi:パイヴァカハヴィ」(昼のコーヒー)
iltakahvi:イルタカハヴィ」(夜のコーヒー)
「saunakahvi:サウナカハヴィ」(サウナコーヒー)
「matkakahvi:マトカカハヴィ」(旅行コーヒー)
「vaalikahvit:ヴァーリカハヴィ」(選挙コーヒー、選挙の投票後に飲む)

など、色んなシチュエーションに応じてコーヒー休憩が存在するんです!

お祝いの席にもコーヒーは欠かせません。結婚式でも、誕生日でも、お葬式でも、フィンランドの人々は集まってコーヒを飲むことを大切にしています。このようなイベントに参加するときやフィンランド人の家を訪問する際に、勧められたコーヒーを断るのは、失礼だと思われるかもしれません。

暗い真冬には欠かせない!
photo of yawning man with his hands up and eyes closed sitting at a table with his laptop
Photo by Andrea Piacquadio on Pexels.com

フィンランドはヨーロッパの最果てに位置し、長い冬の間は日照時間が短くとても暗いんです。フィンランドの最北端の冬では、一日中全く太陽が出てこない日が50日間も続く事もあり、南の方でも12月中は6時間ほどしか日照時間がありません。そんな暗い冬の日中、フィンランド人はしっかりと起きている為に、カフェインが必要なのでコーヒーを沢山飲む、という説もあります。

コーヒーにはケーキが必ずついてくる!

フィンランドではコーヒーには必ずと言っていいほどケーキが添えられます。フィンランド語には、「コーヒーとケーキ」を意味する「kakkukahvi(カックカビ)」という言葉があるほど!ケーキの代わりに、プッラ(pulla)と呼ばれるカルダモンの香りがするパンもよく食べられています。

これはスウェーデンでのfika(フィーカ)の文化とよく似ていますね。フィンランドは長い間、スウェーデンの一部だったのですから、どうりで、同じ文化を共有するわけですね。

会議中なんかもコーヒーを飲んで、プッラを食べながらする事も多いんですよ!

フィンランドの人気コーヒーブランド

フィンランドはコーヒー豆のほとんどを輸入しており、その大半はブラジルから輸入されてると言われています。そして、その豆はフィンランドで焙煎され、販売されます。

カフェでコーヒーを購入し飲む事もありますが、フィンランド人の多くは自宅か勤務先でコーヒーを作って飲みます。ではフィンランドでは、どのコーヒーブランドが人気でよく飲まれているんでしょうか?

Paulig (ポーリッグ)

Pauligはフィンランドでの、コーヒー市場の王様的存在!多くの家庭や職場、カフェでも飲まれている、人気のブランドです。Pauligは1876年にドイツ人移民によって、ヘルシンキで創業されました。家族経営のこのブランドは、今では世界13カ国に2000人の従業員を持つ、大きな会社へ成長しました。

Pauligコーヒーの中でも一番人気はJuhla Mokka(ユフラ モッカ)!コロンビアとブラジルから仕入れた最高品質のコーヒー豆を使用した、上質でコクのある、ミディアムボディのアラビカコーヒーブレンドです。

Juhla Mokka:

北欧最大のコーヒーチェーン店、Robert’s Coffee (ロバーツコーヒー)を創業したロバートポーリッグさんも、このPaulig家出身の方なんですよ!フィンランド国内でも48店舗もあるので、旅行に行った際はどこかで見かけるはず♪

Lehmus Roastery (レムス ロースタリー)

フィンランドでは大きなコーヒーメーカーだけでなく、質の高い小規模な焙煎所も増加しています。中でもフィンランド南東にある、ラッペーンランタ市(Lappeenranta)から生まれた、Lehmus Roastery (レムス ロースタリー)は、毎年行われるヘルシンキコーヒーフェスティバルで、ベスト・ロースタリー・オブ・ザ・イヤーに2017年, 2018年, 2020年と3度も受賞している強者!

レムスロースタリーの、Limited Negele Gorbitu Ethiopia (リミテッド・ネゲル・ゴルビトゥ・エチオピア)はフィルターコーヒー・オブ・ザ・イヤー2021のコンペティションでも優勝しているんです。

この素晴らしいコーヒーは、コーヒー発祥の地であるエチオピアからのもの。コーヒーの実は全て手摘みで行われ、発酵・乾燥後には驚くほどフルーティーな香りが。コーヒーの味はラズベリー、ピーチ、熟したパイナップル、ラム酒のようなアロマが味わえます。コーヒー自体は比較的マイルドであるにもかかわらず、口当たりはフルボディ並みです。

コーヒーにはムーミンマグ!

もうひとつ、フィンランドのコーヒー文化でよく目にするのは、ムーミンのコーヒーマグ!フィンランド人のお家に招かれて行くと、大抵の場合、ムーミンのマグカップも置いてあるはず。ムーミンマグは、レアものは数百ユーロの価値があるコレクターズアイテムにもなり得ます。子供向けの人気シリーズでありながら、ムーミンはあらゆる年代のフィンランド人に愛されているんですね。

中でも最もレアのマグカップと言われているのは、クリスマスをテーマにしたムーミンのマグカップ、「fazer (フェイザー)」!フィンランドの老舗チョコレートブランドのFazerが運営する、Fazerカフェ専用に2004年に製造され、400個しか発売されなかったマグカップです。
コレクターの間ではなんと100万円を超える額で取引されているのだとか、、!ポケモンカードも7億とかで売れてましたものね、、ムーミンパワー、すごい!

Fazer フェイザー:

フィンランドでコーヒー文化がこんなに強いという事を知って、驚かれた方も多いのではないでしょうか?フィンランド人にとってコーヒーを飲む時間は、社会が成り立つ上で、とても大切なものと考えられているんですね♪