ユニークな大会・イベントまとめ!- フィンランド

フィンランド人って無口で大人しいというイメージが強いですよね。でもフィンランドは実はちょっと変でユニークな、個性強めの国なんだよって言われると、意外だねと感じる方も多いのではないでしょうか?

この氷と雪の国の住人たちは、その意外なユニークさで、訪れる人々を見事に驚かせます。フィンランドでは、一風変わったイベントが数多く開催されているのです!彼らが祝う最も変わった競技やイベントを見てみましょう♪

奥様運び競争

奥様運び競争

この国を世界中に知らしめた「スポーツ」のひとつ、奥様運び競争!1992年から毎年夏にソンカヤルヴィ市(Sonkajärvi)で開催されている人気の大会です。シュールだけど参加する人々は結構本気でトレーニングをしてこの大会に挑んでいるんです!

この変わった大会は、19世紀、ヘルコ・ロンカイネンという有名な強盗とその仲間たちが、襲撃した村から食べ物や品物だけでなく、その村の女性達をも担いで盗んでいた事が始まりではないかと言われています。

ルールはとてもシンプルで、男性はパートナーの女性を担いで障害物競走を行います。担がれる対象は、奥さんでなくとも、ご近所の方でも可能。ですが少なくとも17歳以上で、体重は49kg以上出ないといけません。

背負い方は、おんぶ、消防士搬送(腹部を首の後ろに乗せ担ぐ)、エストニア式(足を肩に回して逆さ吊り)などがあります。男性は253メートルの距離を走り、優勝者には、北欧では非常に貴重なもので、なんと女性の体重分のビール!

このユニークな大会はフィンランドを初めとして、オーストラリア、イギリス、アメリカなどでも開催されています。

エアギター世界選手権

a man doing an air guitar
Photo by Diva Plavalaguna on Pexels.com

実はフィンランドでは、音楽愛好家、特にロックやヘビーメタルのファンが、多いんです!ヘビメタといえば頭を激しく揺らしながらのギター演奏!でもギターを弾けなくても大丈夫です。フィンランドでは1996年から、エアーギター世界選手権が毎年8月にオウル市(Oulu)で開催されており、世界中から参加者がやってきます。

エアギターとは、まさに文字通り、エアー(空気)でギターを弾くということ。空気中にギターを想像させて、ギターをいかに本当に弾いているように見せれるかを競う大会です。最初は冗談で始まったのですが、次第に人気が出てきて、今ではフィンランドを初めとして他10カ国でも開催されています。

日本では、お笑いコンビ、ダイノジの大地洋輔さんが歴代2人目で2連覇した事で、日本にもエアギター選手権が広く知られるようになりました。名倉七海という方も、2連覇しており、意外と日本人も優勝しているんですよ!

携帯電話投げ選手権

携帯電話投げ選手権

フィンランドではさまざまな「投げる」競技がありますが、最もユニークでフィンランドらしいのは、夏にサヴォンリンナ(Savonlinna)という町で行われる、携帯電話投げ選手権!参加者は携帯電話を思い切り投げ、その距離とテクニックによって審査されます。

このイベントは、フィンランドの大手保険会社が、リサイクルを目的として主催したもの。保険会社によると、フィンランド全土にある何千もの湖には、たくさんの携帯電話が眠っているそう。多くの捨てられた携帯電話は携帯電話会社の店舗に返却され、新しいものと交換されますが、その他の携帯電話はリサイクルされることなく廃棄され、有毒廃棄物となります。

person sitting on the chair near the plastic containers with lables
Photo by cottonbro studio on Pexels.com

携帯電話のバッテリーは最終的に有毒廃棄物になる可能性があるので、適切に処理する必要があるんです。この携帯投げ大会は、リサイクルと娯楽を組み合わせたフィンランドの精神を象徴しているのです。

個人戦や団体戦、ジュニア戦(12歳以下の子供向け)などのカテゴリーがあり、重さ220グラム以上の携帯電話だけが認められます。携帯電話は主催の会社が提供するものを使用し、優勝者には新しい携帯電話が与えられます!

この大会は非常に人気があり、現在ではヨーロッパ各地で国内選手権が開催されており、その国内選手権の優勝者へ贈られるのは、フィンランドで行われる世界選手権への招待状とその旅費です。世界記録保持者はドイツ人のTom Reinhardt氏で、なんと136.75メートルの距離を投げることに成功したのだとか!

スワンプサッカー

沼地でのスワンプサッカー

フィンランドは、サッカーのトップチームの1つではありませんが、このスワンプサッカーは間違いなく奇妙さで世界一!スワンプ・フットボールまたはスワンプ・サッカーは、フィンランドではSuopotkupallo(スオポットクパッロ)としてよく知られており、沼地や湿地帯で行われるサッカーです。

冬には、フィンランドの北部で、深い雪に覆われたフィールドでスノーサッカーが行われますが、夏に行われるこのスワンプサッカーは、膝まで泥に浸かりながら行う最も過酷なスポーツの1つ!

スワンプサッカーはフィンランドで発明されたもので、スポーツ選手や兵士を鍛えるための特別な運動として使われていた、というのが公式の話です。

初めて組織化された選手権は1998年のフィンランド選手権で、「沼男爵」の異名を持つユルキ・ヴァーナネンの発案によるもの。現在、世界中に300の沼地サッカーチームがあると言われており、6月には世界チャンピョンシップがフィンランドで行われます。

蚊叩き選手権

close up view of mosquito
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なんでコレを大会にしたの!?と思わず言ってしまいそうなこの大会!夏のフィンランドを訪れたことがある人なら、空気中が渇いた吸血虫で濃くなっていることをご存じでしょう。

蚊は、国の北部で最も厄介な存在です。実用的なフィンランド人は、その厄介な存在をも楽しみに変え、北部の町、ペルコセンニエミ(Pelkosenniemi)では毎年、蚊叩き選手権を開催しています。

基本的には、5分間で最も多くの蚊を叩いた人が勝ちとなります。現在、その記録は21匹!それだけの量の蚊が5分間に自分の周りにいるって結構多いですよね、、!

ベリー摘み世界選手権

positive man harvesting coffee berries in woods
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フィンランドは色とりどりのベリーの産地として知られ、夏休みにはコテージでベリー摘みをするのが定番!ベリーが沢山取れるフィンランドでは、1998年からベリー摘みの競技としての側面も持つようになりました。

ベリー摘みのイベントはフィンランド各地で開催されておりますが、ベリー摘み世界選手権は、フィンランド東部のスオムサルミ(Suomussalmi)で開催されます。リンゴンベリーの採取には熊手の使用が許されており、1時間の間に一番沢山ベリーを取った人の勝ち。現在の記録は61.69ポンド(27.98キログラム)だそう! 参加は無料で、優勝者にはトロフィーと賞状がもらえます。

「お寝坊さんの日」

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毎年7月27日は、フィンランドでは「お寝坊さんの日」(Unikeonpäivä: ウニケオンパイヴァ)!この行事は7月27日の朝7時までに、最後に起きた家族の一人は「お寝坊さん」とされ、その年の最後まで寝坊助みたいに怠け者になる、という中世からの言い伝えからきています。

その言い伝えは、キリスト教神話から由来しています。紀元250年のローマ皇帝デキウスの支配下にあった頃、迫り来るキリスト教徒への迫害から逃れるために、7人のキリスト教徒がエフェソス市の郊外の洞窟に逃げ込み、隠れていました。これを発見したデキウス王は、洞窟の入り口を封鎖するよう命じ、7人は何も出来ないのでこの洞窟の中で眠りにつきました。200年後に洞窟を開けたところ、なんとまだ7人が眠っているのが発見されたのです。この伝説は「エフェソスの七人の眠り聖人」と呼ばれています。

baby s sleeping on a man s shoulder
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「お寝坊さんの日」に最後に起きた人は、なんと、水で起こされるんです!バケツで水を頭からかけられたり、川や海、湖に運ばれて投げ込まれたりすることも!

フィンランドの都市ナーンタリ(Naantali)では、この日を祝って、その街の有名人を「お寝坊さん」として1人選び、朝7時に船着場から投げ落とすんです!選ばれたお寝坊さんは、シーツで巻かれて隠された状態で船着場まで来るので、その正体は最後の瞬間まで秘密。この特別な栄誉を得るために、選ばれるお寝坊さんは街の発展に貢献している人物である事が必要となります。

ナーンタリで朝7時に投げられる「お寝坊さん」

多くの芸術家、俳優、作家、政治家などが、この お寝坊さんとなり、水の中に放り投げられてるんです。どの市長も一度は投げられており、政治的な観点からは、腐敗や怠慢を洗い流すことを象徴する狙いがあります。

でも演奏隊などを準備し、見物客を集め、そして要人を水に放り込むのを見るイベントを朝7時までにするって、、そこまでしちゃうの?っていう感じもしますよね!

でも「お寝坊さん披露」の日の、数日前から様々なコンサートや屋外フェアが始まるなど、ナーンタリではかなりの一大行事なんです!7月26日にフィンランドに居られる場合は、是非ナーンタリまで行って見物してみて下さい♪

アリの巣座り大会

macro photo of five orange ants
Photo by Poranimm Athithawatthee on Pexels.com

これってジョークじゃなくて、、?と思わず二度見してしまうタイトルですが、フィンランドでは本当にやってる人がいる変すぎる競技!これは文字通り、アリの巣の上にパンツを下ろして座って、アリにお尻を噛まれるのを我慢できる時間を競うんです。

この競技は公式な大会とまではなっていませんが、夏の間、全国各地でやっている人がいます。筆者はこの競技は気持ち悪いと思うのですが、好きな人もいるんですね。。

昔は、男の子が自分が「立派な男」であることを示すために、やっていたりしていたのだそう。長く座れば座るほど男らしいとされたのだとか。しかし、今では男女誰でも参加する人気の競技に発展しています。

どういうメリットがあるのかというと、友達に自慢できるくらいでしょうか、、?このコンテストが行われている場所は、かなりの量のアルコールが飲まれているパーティーである事間違いなし!

ビールフローティング

ビールフローティング(Kaljakellunta: カルヤケルンタ)は、フィンランドの夏にゴムボートに乗って、ビールを飲みながら川を下るイベント!7月最後または、8月最初の週末に行われ、参加者はヴァンター(Vantaa)からヘルシンキの下流の川辺ビーチまでの距離を、ケラヴァ川(Kerava River)か、ヴァンター川(Vantaa River)上を通って、浮かんで行きます。

参加者は小さなゴム製のボートを使い、通常はパドルとビール以外は何も持っていきません。 このイベントには公式な主催者はなく、代わりにFacebookなどのSNSで日程が多数決で決定されて、皆集まって来るんです。

ビールフローティングは1997年から毎年開催されているイベントで、最初の第1回目の参加者は10人以下でしたが、それ以来、参加者数は毎年増加しており、2011年には約5,000人もの人が参加!

パドルもほぼ使用せず、ビールを飲みながらただ川の上をボートに乗って、浮かんでいるだけ。主催者もないのにこれだけの人が集まってくるこのゆる〜いイベントは、ちょっとフィンランド っぽいですよね!

いかがでしたでしょうか?仰天するような大会もあったのではないでしょうか?フィンランド人って大人しいけど、結構大胆な発想するんですね!もしフィンランドに来られたら、是非このリストにあるイベントへ行ってみて下さい♪